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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

白いマーブル調の表紙に建物の写真

书籍名

模范像なしに 美学小论集

着者名

テオドール?W?アドルノ (著)、

判型など

256ページ、础5判

言语

日本语

発行年月日

2017年12月15日

ISBN コード

978-4-622-08667-3

出版社

みすず书房

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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『模范像なしに――美学小论集』は、晩年のアドルノが『美学理論』の執筆のかたわらで発表した美学関連の論考や講演を収録したエッセイ集である。アドルノの芸术哲学において音楽が特権的な地位を占めていることはよく知られているが、ここに収録されたテクストのなかで狭義における音楽論は――バロック音楽を徹底的に批判した論考を除いては――ほとんどなく、絵画、建築、映画、芸术におけるマネージメントの問題など、これまでアドルノ美学とは縁遠いと見なされてきたジャンルや対象を扱ったものが多くを占めているのがその最大の特徴である。しかも、その際にアドルノは、抽象的で観念的な議論をひたすら展開するのではなく、フランス印象派の絵画、ホテルのロビーを飾る通俗絵画、ロースの建築デザイン論、チャップリン、ニュー?ジャーマン?シネマ、さらには不条理演劇やハプニングなど、きわめて具体的な対象を議論の俎上に上せており、あたかも音楽や文学以外の事柄について考察するなかで、みずからの美学的思考の射程をあらためて問い直そうとしているかのようだ。モダニズム芸术の文化保守主義的な護教論として片づけられがちなアドルノ美学であるが、これらのテクストは、そのなかにいまだに汲みつくされていない可能性がなおも眠っていることを告げているのである。
 
『模范像なしに』のさらなる特徴として、幼いころに夏季休暇を過ごしたアモールバッハをはじめ、ウィーン、ジルス?マリーア、ルッカといった土地にまつわる断章形式のエッセイが収められていることが挙げられる。子どものころの記憶や滞在した都市について数多くの印象的なテクストを執筆したベンヤミンとは異なり、アドルノがみずからの過去について語ることはきわめて稀であり、その意味でこれらの文章はアドルノの著作のなかでも例外的であると言える。だが、アドルノの思想において幼年時代や知覚経験といった契機にきわめて重要な意義が付与されていることに鑑みるならば、ここに収録された回想録風のエッセイのうちに、アドルノ哲学の核心部分に密かに触れるようなモティーフを読み取ることもできるだろう。「交換不可能なものである幸福の経験がつくられるのは、ある特定の場所においてのみで