
书籍名
近世の朝廷财政と江戸幕府
判型など
292ページ、础5判
言语
日本语
発行年月日
2016年4月26日
ISBN コード
978-4-13-026242-2
出版社
东京大学出版会
出版社鲍搁尝
学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)
英语版ページ指定
江戸時代の天皇?朝廷と幕府の関係を財政面から考察したのが本書である。天皇?朝廷と幕府の関係 (=朝幕関係) を探る朝幕関係史研究は、日本近世史の主要な研究分野のひとつであり、政治的事件や法制面、機構面など、さまざまな観点から分析がなされている。
しかし、両者の関係を規定するもっとも根幹的な要素のひとつである財政に関しては、その重要性が指摘されながらも、史料が少ないと思われてきたという問題もあり、1944年に出版された奥野高廣『皇室御経済史の研究 後篇』(中央公論社) 以来、研究があまり進展してこなかった。
そこで、本書では、関連史料をひろく探したうえで (じつは、豊富とは言えないまでも、それなりの数の史料が現存している)、江戸時代の天皇?朝廷は財政面でどのようにして成り立っていたのか、またそれに幕府はいかに関与していたのかを、おもに18世紀以降を対象に明らかにし、そこから朝幕関係の実態を考察した。以下、簡潔にではあるが、内容を紹介しよう。
まず、幕府が天皇?朝廷に対してつねに一定水準の财政保証や支援を行っていたこと、それを可能にしていた仕组み、それらを支えていた人びとのあり様などを明らかにした。また、朝廷の财政にとって、この幕府からの保証や支援がどのような意味を持っていたのかも究明した。
もちろん、こうした財政保証や支援のあり様は一定のものであったわけではなく、時期によって種々に変化したので、その変遷も追った。とくに、18世紀以降、幕府政治の中心課題が財政問題になっていき、政治が財政に規定されるようになると (藤田覚『日本近世の歴史4 田沼時代』吉川弘文館、2012年)、天皇?朝廷に対する保証や支援も、幕府財政の状況や政策につよく規定されるようになった。その一連の流れの中で、朝廷財政と幕府財政の関係がどのように変化したのかを明らかにし、幕府が朝廷を取り込む形で、朝幕の一体化が進んだことなどを指摘した。
こうした天皇?朝廷に対する保証や支援のあり様が大きく変わったのが、将軍上洛などがあった文久3年 (1863) 頃であった。よく知られているように、条約勅許問